クレージーキャッツ 東宝クレージー映画 無責任シリーズ (2005.02.26)
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1.ニッポン無責任時代 2. ニッポン無責任野郎 番外編 クレージーキャッツ デラックス
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1962年の「ニッポン無責任時代」から、1971年の「日本一のショック男」まで、9年間に30本にも及ぶ作品が創られた東宝クレージー映画だが、LDは結局全作まではリリースされず仕舞いで、DVDも未だに「大冒険」以外未発売。
レンタルビデオショップでも見かけず、現状では、CS放送以外なかなか見る事が出来ないレアなアイテムと化しているが、今年は結成50周年。ベストヒット盤CDや、レアトラック満載のサントラ盤CDなどが次々とリリースされ、次はいよいよクレージーファンお待ちかねの東宝クレージー映画のDVD化を大いに期待!(2005.02.26)

<祝!2005年9月30日DVDリリース開始!>

植木等のキャラクターをメインに据えた無責任&日本一シリーズ、クレージーキャッツのメンバー、特に、植木等、ハナ肇、谷啓を中心としたクレージー作戦シリーズ、そして時代劇シリーズの大きく3つに区分けされる東宝クレージー映画!ジャケット比較!

無責任シリーズ第1弾!「ニッポン無責任時代」
1962年7月29日公開 古沢憲吾監督作品(併映・喜劇 駅前温泉)
●初盤LD<TLL2032>
1986年3月21日
●新盤LD<TLL2522>
1998年3月21日※予告編付
●クレージーキャッツ
無責任ボックスDVD
<TDV15293D> 2005年9月30日
ニッポン無責任時代/ニッポン無責任野郎/クレージー作戦 くたばれ!無責任/クレージーキャッツ デラックス 4作品収録のDVD-BOX
●クレージーキャッツ 無責任ボックス 封入DVD
<TDV15293D-1> 2005年9月30日
●シネスコスクイーズ収録 ●劇場予告編 ●ポスターギャラリー ●解説書封入 ●チャプター付
●日本語字幕付、オリジナルモノラル音声、オーディオ・コメンタリー(横山照子・記録、吉松安弘・東宝の監督)音声収録。※会話は弾んでいないが、平均が逆立ちをして数寄屋橋の横断歩道を渡るシーンなど、裏方さんらしい面白いコメンタリーが聞ける。
→「ニッポン無責任時代」画像比較はこちら
●クレージーキャッツ 無責任ボックス DVD
特典ポストカードセット
記念すべき植木等主演の無責任シリーズ第1作。
本作の主役、植木等演じる平均(たいらひとし)。何を考えているのかまったくわからず、とにかく自分の都合の良いように物事を進め、口八丁手八丁でスイスイと世渡り。しかも、「こりゃ、ダメ」とわかると、手の平を返したようにあきらめも早い。

香典泥棒と間違われるような、ほとんど詐欺師と紙一重の無責任男なのであるが、実は、この無責任男。今でいう個人能力主義の最たるもので、それまでの日本の喜劇映画には見られないドライさも斬新だった。
●VHS<TG0655-V>
1981年※テレビサイズ版
●VHS<TTI5020>
※ビスタサイズ版

宝島探検隊 
●VHS<TG1128-V>
1986年※シネスコ版

社長シリーズとは対極的な、このピカレスク的なストーリー展開(※悪漢小説、映画的にはマカロニ・ウェスタンなどが有名)に、当時の東宝の上層部が不安を抱いたのは当然の事で、当初はパンチ(団令子)、ピンチ(中島そのみ)、センチ(重山規子)の3人が活躍する東宝映画「お姐ちゃんシリーズ」の番外編的作品としてつくられた。
いわば「お姐ちゃんシリーズ」の人気者を安パイとして絡ませようとしたものである。実際、予告編を見ると、お姐ちゃんとクレージーキャッツという宣伝の仕方をしている事がわかる。
しかし、映画が公開されるやいなや植木等の突き抜けたキャラクターが、お姐ちゃんシリーズの人気者を完全に食ってしまったのだ。
この映画の魅力が植木等=平均のキャラクターに集中しているのは一目瞭然で、植木等自身が気づいていない自身の魅力を最大限に引き出した古沢憲吾監督の功績も大きいが、無責任男、平均を型破りのヒーローとして認知させてしまう、有無を言わせぬそれだけのパワーが植木等のキャラクターにはあったのだ。
もちろん、東宝のプロデューサー安達英三朗の狙いは、そこにこそあったのだろうが、まさかこれほどまでに受けるとは思ってもいなかったであろう。

平均がもぐりこむのは太平洋酒(東宝映画おなじみ八重洲の大和證券ビル)。本作のキーとなる北海物産のスケベなズーズー弁社長(お得意の役どころだ)、石狩熊五郎役の由利徹と共に、クレージー映画の準レギュラーとして活躍する下宿の主人役の人見明だが、まだ「バカ…」は発していない(後の「釣りバカ日誌」のハマちゃんの上司・佐々木次長役を彷佛させる谷啓が、近い役どころで「あのッ、バカ」と発するが…)。

クレージー映画のもう一つのお楽しみである、突然のミュージカル演出で華を添えるクレージーソングは、●「やせがまん節」●「ドント節」●「スーダラ節」●「五万節」●「ハイそれまでよ」●「無責任一代男」と、 名曲中の名曲が目白押しだ。 タイトル曲は、神津善行アレンジによる「無責任一代男」のインスト版。
植木自身もっとも好きな曲という、宴会場が突然、大ステージとなる「ハイそれまでよ」。ラストの横浜プリンスの庭園で、クレージーのメンバーがバックコーラスをつとめて「無責任一代男」が唄われ、映画独自の歌詞で「五万節」が唄われる。

映画冒頭、「ドント節」を唄う平均に向かって、若き峰岸徹(当時は峰健二)が「イカしてるね〜、アンタ」とほめるが、イカスと言う言葉が若者に流行っていた時期なのだろうが、なんだか可笑しい。今ならば、やはり「イカレてるね〜」という事になるのだろうが…。

ザ・ドリフターズと比較する気はないが、このサラリーマンコメディの可笑しさや、悲哀、洒落っ気などはやはり、ある年齢に達しないと理解できないのである。
ある日突然、クレージーソングやクレージー映画の魅力に目覚めるといった事も、クレージー人気10年周期説の世代交代の時期に当たるものと考えて良いだろう。

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無責任シリーズ第2弾!「ニッポン無責任野郎」
1962年12月23日公開 古沢憲吾監督作品(併映・喜劇 駅前飯店)
●LD<TLL2495>
1997年3月1日

※本編未使用テイクが見られる予告編付
●DVD<TDV15293D-2>
2005年9月30日
●シネスコスクイーズ収録●劇場予告編 ●ポスターギャラリー●解説書封入●チャプター付 ●日本語字幕付、オリジナルモノラル音声、オーディオ・コメンタリー音声収録。※本作は明音楽器が舞台となるが、背景の写真は、無責任時代の太平洋酒のものだ。オーディオコメンタリーは坂野義光監督(本作では助監督)。ゴジラを飛ばした張本人だが、面白い話が満載だ。
 

社長シリーズや若大将シリーズのプロデューサーでもある東宝の製作本部長の藤本真澄は、社長シリーズとは対極的な無責任男の内容を決して心良くは思っていなかったが、ビジネス的には大いに乗り気であったという。そして前作に続いて、安達英三朗に製作を命じたのが続編「ニッポン無責任野郎」だ。
当時のクレージー人気の凄さを物語るかのように、シリーズ2作目にしてすでに翌63年のお正月映画として公開されている。

本作では、サラリーマンばかりでなくOL(当時はBG)からの支持も得ようとの狙いで、新たに団令子を無責任姐ちゃんとして登場させるが、やはり前作からの勢いをそのまま引き継いだ無責任男、植木等の爆発的なパワーの前にはかすんでしまった。

●VHS<TG-4651R>
1997年
※レンタルショップ用

前作の平均(たいらひとし)に代わり、植木等演じる本作の無責任男、源等(みなもとひとし)は、前作より素性不明さも無責任さもパワーアップ。今回は明音楽器(またまた八重洲の大和證券ビル)にもぐりこむ。
サックス吹きのゲーリー(「モスラ」のネルソン=ジェリー伊藤)を、スミス楽器の社長の弟と偽って、派閥争いの両者に取り入る設定など、サラリーマン版「用心棒」とは言い過ぎだろうか…。(実際「ニッポン無責任時代」は、黒澤明の「用心棒」を意識していたようだが…)
前作とは、東宝映画お得意の姉妹編的な作りとなっていると思いきや、さにあらん、ラストのオチを見れば、実は続編だったという事がわかるようになっている。

谷啓の語尾上がりの独特の口調「バカヤロ〜ッ!」や、ズーズー弁ギャグをやらせたらこの人の右に出る者はいない由利徹(※十八番のカックン、裁縫ギャグも有名だが…。ちなみに、裁縫ギャグは75年の東映千葉真一「ケンカ空手極真拳」などで垣間見ることが出来る)。 黒画面に顔だけを漫画のように切り抜くショットも前作からのお約束ショットとなり(※本作では人見明)、見所も盛りだくさんだ。

青島幸男作詞、萩原哲晶作曲のクレージーソングは全6曲。作曲のデクさんこと萩原哲晶(ひろあき)は、クレージー・キャッツの前身、キューバン・キャッツ(※ステージ演奏中、米軍兵士から「ユー!クレージー」と言われた事から、後にクレージー・キャッツと名乗るようになった)に在籍していた事もあり、クレージーの面々とは旧知の仲。
クレージーソングのそのほとんどを青島幸男と共に創り出した、クレージー・キャッツ8番目の男にして日本ポップス史にその名を刻む大作曲家。83年1月13日、57歳の若さにて逝去。

●「無責任一代男」※前作から引き続いての「無責任一代男」。当時の自由が丘駅前の風景も見られる。有名な話だが、元ネタは83年のアサヒビールのCFにも使われたエノケンの「洒落男」)
●「ショボクレ人生」(※夜道を歩きながら、ショボクレたサラリーマンのせこさを歌っているが、どこにでもいるような等身大の親父を、コントを書くように描写する青島幸男の才能には恐れ入る)
●「ハイそれまでよ」(※ご存知、名曲。ニッポン無責任時代と同じレコード音源とは歌詞違いテイク)
●「これが男の生きる道」(※無責任カップルの新婚旅行先、船橋ヘルスセンターで唄われるサラリーマンのわびしさが味わい深い逸品。福神漬けはオカズになるのか?今は無き船橋ヘルスセンターの様子も興味深い)
●「ゴマスリ音頭」(※後の名曲「ゴマスリ行進曲」「ゴマスリ節」と合わせてのゴマスリ三部作の1曲)
●「やせがまん節」(※前作では"色男はつらい〜"の2番が歌われたが、本作では状況に合わせて3番"部長はいやだ〜"が歌われている。「スーダラ外伝」にてセルフリメイク録音された)
●「のんき節」(※明治〜大正にかけて流行した「はやり唄」の替歌)

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●大瀧詠一責任編集 クレージーキャッツ デラックス 
東宝映画名場面・名曲集  →CD盤はこちら
●LD<TLL2177>
1991年3月1日
●DVD<TDV15293D-4> 
2005年9月30日
●シネスコサイズ収録  ●解説書封入 ●チャプター付
●歌詞字幕付、オリジナルモノラル音声
※DVDよりLDの方が画像が良い。
※ジャケットの絵柄がハッスルコーラ版から本ジャケット版に差し替わったようだ。
 
1985年に、アルバムと新曲「実年行進曲」をプロデュースした大瀧詠一が「元気が出るビデオ」として企画監修した東宝クレージー映画の名場面を集めたアンソロジービデオ。
初期作品では「クレージー作戦 先手必勝」からの収録が無いが、ほぼ名シーンといわれているものは収録されている。
初版ビデオは明治チョコレートデラックスをパロッたパッケージで、なかなかセンスがいい。

LDのチャプター22曲目の作詞作曲・不詳「題名不詳」は、青島幸男・萩原哲晶の黄金コンビによる「日本一の色男」挿入歌の「今日もやるぞやりぬくぞ」。
1991年11月25日にリリースされたアルバム「スーダラ外伝」にて、初めて植木等本人によりセルフリメイク録音された。
●VHS<TD1433-V>
1986年7月 初版
●VHS<TD4813S>
1997年3月 再発廉価版

余談だが、「クレージーキャッツ」か「クレイジーキャッツ」なのか、はたまた「クレージイ・キャッツ」なのか、中黒が入るのか入らないのかと、気になる所だが、レコードやCDなどの音楽系は発音に近いクレイジー・キャッツ。映画の題名などは、言葉の響きや読み易さからクレージー・キャッツと統一しているようだ(大冒険のオープニングタイトルのみこれまた違う「クレージイ.キャッツ」)

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