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					SFの古典「ボディ・スナッチャー」型侵略ものと、ミステリーの定番「吹雪の山荘もの」を掛け合わせたジョン・カーペンター監督の最高作。 
「遊星よりの物体X」のリメイクというよりは、ジョン・W・キャンベルの原作「影が行く」を映画化した作品。 
 
カーペンター監督自身は、本作をSFXに乗っとられてしまった映画と語っているが、南極観測基地の隊員達が極限状態の中、お互いが疑心暗鬼にかかっていく心理サスペンスは緊迫感に溢れ見応え充分。 
そして、寄生したものに同化してしまうという映画史に残るクリーチャーを創り上げたのは、CGを使わない特殊メイクアップアーティスト、ロブ・ボッティン。 
未知の物体Xが、体内に進入し疑似体を創り上げていくさまが、すさまじいSFXによって描写されていく。 
また、常に流れている心臓の鼓動のようなエンニオ・モリコーネの音楽も緊張感を高める。 
心理サスペンスの静と、突然正体を現す変幻自在な物体Xの動が、見事に融合した奇跡的な作品。まさに「エイリアン」(1979年)と並ぶSFサスペンスホラーの傑作といえよう。
					
							4:3のレターボックス仕様でのリリースが常であった不遇な本作品も、ようやく次世代DVDでリリース。 
		氷に閉ざされた南極大陸の凍てつくような冷気と不安感を募らせるようなざらつき気味のアンダーホワイトな色調こそが本作の大きな特徴でもあるが、 
		そこに、燃え盛るオレンジの炎、夜の闇を照らすパステルブルーなどの鮮やかな色彩がフィルターがかかったようにオーバーレイされ、別世界さながらの妖しい映像をつくりだしている。 
		 
		もちろん物体Xのリアルな生物感を強調するヌメヌメ感もハイビジョンの高解像度でさらに強調され、飛び散る鮮血や粘液などもより鮮明になった。 
		HDディスクは、現状HD 
				DVDのみでのリリース。本作だけのためにHD DVDプレイヤーを購入した人も少なくないのではないか。(2007/11/04) 
				 
				HD DVDの撤退にともない、ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパンより2008年12月19日にブルーレイリリース。 
				エンディング近くのマクレディ(カート・ラッセル)とチャイルズ(キース・デヴィッド)の会話で、白い息を吐く、吐かないも鮮明に確認できる。(カーペンター監督によると、特別な意図は無く、ただ照明の関係だけだったようだが…) 
				(2009/05/31加筆) 
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							1982年11月20日公開  
	ユニヴァーサル映画   
109分 アスペクト2.35:1 シネスコサイズ  
 
製作:デイヴィッド・フォスター、ローレンス・ターマン 
共同製作:スチュアート・コーエン 
監督:ジョン・カーペンター 
原作:ジョン・W・キャンベル・ジュニア「影が行く」  
音楽:エンニオ・モリコーネ 
特殊メイクアップ:ロブ・ボッティン 
 
HD DVD <UNSH-25618> 
2007年7月13日リリース ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン  
片面2層(30GB) 映像コーデックVC-1  
字幕/英語・日本語 音声/英語ドルビーデジタルプラス5.1ch 
 
Blu-ray <UNBA-25618> 
2008年12月19日リリース ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン  
片面2層(50GB) 映像コーデック/VC-1  
字幕/英語・日本語 音声/5.1ch DTS-HDマスター・オーディオ | 
					 
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