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■大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス (HV Broadcast)
ゴジラと違うガメラの魅力、それは空を飛べる事(一応、ゴジラも飛べるが…)。
前作「対バルゴン」では四足怪獣同士の闘いで、ややスピーディさに欠けていたが、本作では同じ空を飛ぶ能力を持った怪獣ギャオスを迎え、ガメラの持つ飛行能力を最大源に生かす事に成功した作品となった。

タイトルもズバリ「大怪獣空中戦」、ガメラの飛行形態のバリエーションも本作にて完成した
(※平成ガメラは「大怪獣空中決戦」)。

ガメラ映画史上、最大の敵キャラ怪獣ギャオス。なんでもスッパ、スッパと切ってしまう超音波メスを吐き、夜行性で夜しか現れない。しかも人肉を喰らうという恐ろしい怪獣キャラは、子供の味方ガメラという善玉キャラ設定をより引き立たせている。

うたた寝して目覚めると、外は夕暮れ、テレビの画面は電波ノイズ状態で、異様な雰囲気。そして、そのただならぬ気配に人を呼べども誰もいない…。
このシチュエーションに、感受性の強い当時の怪獣少年たちは、なにげにビビった。生涯のトラウマになったという、今は立派なオヤジもかなりいると推測される…。

ガメラの手や足は、ギャオスの超音波メスでズッタズタ。手足を震わせながら痛そうにする瀕死のガメラ。
血を流し傷つきながらも、最後には耐えて勝つというガメラの闘いは、プロレスのロマンにも近く、後のガメラシリーズの大きな魅力となる。
ゴジラシリーズとは、まさに一線を画すガメラシリーズの原点ともいえる作品なのだ。

吊りによる人形劇のような操演、粗っぽい合成と、特撮はチープではあるが、ギャオスの足をくわえ、朝陽の昇るのを待つガメラ。苦しみもがき逃げようとするギャオスとのダイナミックな海上での闘いなど、これぞ怪獣映画という名シーンも多数ある。

また、のちのガメラシリーズの大きな特長ともなる子供の味方という設定も本作で確立されたのだが、子供がシリーズのメインキャラとなっていく事により、ギャオスのネーミング設定など、悪く言えば失笑もの、良く言えば微笑ましいという演出が随所に見られるようになっていった。

本郷功次郎が若い。あの独特のダミ声の名悪役、上田吉二郎も元気だ。英一君も映画の中ではまさしくあの当時のまま永遠に生き続ける。
ハイビジョン映像は、見る者にとっても、まさしくあの時、あの瞬間、映画館で見た感動がそのまま蘇る。

※ちなみに画像上から2枚目のセンターの人物が蛍雪太郎。平成ガメラシリーズの大迫警部役、蛍雪次朗の師匠にあたる人物だ。(2007/12/30)
2007年12月25日  WOWOW放送
アスペクト2.35:1 シネスコ 87分  

1967年3月15日公開 大映作品

製作:永田雅一
企画:仲野和正
監督:湯浅憲明
脚本:高橋二三
撮影:上原明
音楽:山内正

出演:本郷 功次郎
   上田 吉二郎
   笠原 玲子
   阿部 尚之
   丸井 太郎
   蛍 雪太郎
 
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