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					犯人を捕まえるためならば手段を選ばず、法の網をかいくぐり、のうのうと生きるズル賢い犯罪者は撃ち殺す! 
街にはびこる悪党どもの掃除役、ダーティハリーことハリー・キャラハン。 
 
ジョン・ウェインやゲーリー・クーパーなどを代表とする、それまでのいわゆる優等生タイプのヒーローを過去のものへと追いやったハリーのキャラクターは、イースウッド自身がブレイクするきっかけとなったマカロニウェスタンのヒーローが原型である。 
※「荒野の用心棒」詳細はこちら→ 
 
事なかれ主義の市長や上司の意見など聞く耳持たず、許せない犯人をどこまでも執拗に追い続ける孤高のヒーロー。 
凶悪犯罪が多発するアメリカに現れた、このピカレスク的ヒーローに観客は拍手を送った。 
 
犯人サソリを射殺したハリーは、自ら警察バッジを投げ捨てる。法治国家における正義とは何かという事をあらためて考えさせられるラストも秀逸だった。 
1971年末、ほぼ同時期に公開された「フレンチ・コネクション」のポパイ刑事と共に、ニュータイプのヒーロー像をつくり上げた。 
 
「ゾディアック」をモデルとした印象的な悪役サソリは、アンディ・ロビンソン。 
偏執狂的なキレた犯罪者の演技は絶品。本作での強烈な悪役イメージを生涯、払拭する事ができず、その後の俳優人生に大きな影を落とす事となるが、ヒーロー物の成功は悪キャラの魅力によって決まるもの。ダーティハリーの成功は、彼の功績によるものといっても過言ではない。 
 
オールロケにて撮影されたダーティハリー。現行DVDでは、70年代特有のざらついた映像感の印象があったが、ハイビジョン映像は、コントラスト、色彩とも目を見張るほどの美しさ。まさにフィルムそのままのようだ。サンフランシスコの街並、夜景、歓楽街などもリアルに蘇った。 
 
ちなみに、ホットドッグをほおばりながら、銀行強盗を追いつめるハリー・キャラハン。 
この銃撃戦、5.1chサラウンドの新音声収録版では、オリジナル音声よりもハリー・キャラハンのマグナムの銃声が1発多く収録されているが、ハイビジョン放送版でもそのままだった。
 
 
またハリー・キャラハンの役は、当初フランク・シナトラ、ジョン・ウェインがあてられていた。ジョン・ウェインは、ハリー・キャラハン役のオファーを受けた時、こんなアンチヒーローは御免だと断ったが、後のダーティハリーの大ヒットを見て悔しがり、同じ刑事物映画「マックQ」に出演したエピソードは有名だ。(2007/12/30) 
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2006年9月3日(日) NHK 
	BS Hi-Vision 放送 
103分 アスペクト2.35:1 シネスコサイズ  
 
1972年2月26日公開 ワーナー・ブラザーズ 
 
製作:ドン・シーゲル 
監督:ドン・シーゲル 
製作総指揮:ロバート・デイリー 
脚本: ハリー・ジュリアン・フィンク、R・M・フィンク、ディーン・リーズナー、ジョン・ミリアス 
撮影:ブルース・サーティース 
音楽:ラロ・シフリン 
 
出演:クリント・イーストウッド 
   ドン・シーゲル 
   ハリー・ガーディノ 
   アンディ・ロビンソン 
   ジョン・ヴァーノン 
   レニ・サントーニ 
   ジョン・ラーチ 
   ジョン・ミッチャム 
   アルバート・ポップウェル | 
					 
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