仁義なき戦い (2011.04.02)
←仁義なき戦い ←広島死闘篇 ▼代理戦争 ▼頂上作戦 ▼完結篇
-------------
●マッキントッシュ版の方は、Microsoft Internet Explorer5.1のご使用を推奨します
-------------
●ウィンドウズ版の方は、Microsoft Internet Explorer4.01以上、Netscape Communicator4.05以上をご使用ください
-------------
※このまま見続けたい方は一度 →ジャケット比較トップ に戻ってから各ページをご覧ください。
■仁義なき戦い 代理戦争 シリーズ第三作(1973年9月29日公開)
 
1960年(昭和35年)9月〜1963年(昭和38年)8月

“ありゃ どこのもんな”
“どうせ そこらのボンクラじゃろう”


広島市最大の勢力を誇る村岡組に跡目相続をめぐる内部抗争が勃発。
跡目候補の第一人者、村岡組長舎弟・杉原文雄(鈴木康弘)が、白昼の繁華街で射殺されてしまったのだ。
残る候補は打本組々長・打本昇(加藤武)だったが、杉原を射殺した九州・栗山組への報復に及び腰だった事から村岡組は大きく揺れる。

“昌ちゃん 村岡組にも顔が広いけん 耳に入った事があったら知らせてくれや のう”
“ほうか ほいでワシを抱こうゆう腹じゃったんかい 手回しがええのう”


村岡組の動きを察した呉の山守組長(金子信雄)は槇原(田中邦衛)を従え、村岡組にも顔が利く広能(菅原文太)に接近。
かたや打本は村岡組幹部・武田明(小林旭)松永弘(成田三樹夫)江田省一(山城新伍)。そして広能と兄弟盃を交わし、さらに広能を通して神戸最大のやくざ、明石組長舎弟・相原重雄(遠藤辰雄)とも盃を交わしその地盤を固めようとする。

“親父とワシらで話をまとめたんじゃがのう 親父の跡をよ 山守のおじさんに頼もういう事になったんじゃが どう思うかいの”
“山守の親父には ワシから話してみるわ 知らん仏より、知っとる鬼のほうがましじゃけのう”


引退を決意した村岡組長(名和宏)は、広島を神戸に売り渡すようなこの打本の行動に怒り、呉の山守組と合併し山守に組を預ける事を決める。

“ワシゃほんまにこの世へ向いて 親分になるために生まれてきたようなもんですよ”
“ワシがこの広島を抑えたからにゃ もうよそのモンにはもう グスァ〜ッともいわさせんですよ”


大組長の座が転がり込んだ山守は、祝いの席で敵対する打本を嘲る。
鬱憤をつのらせた打本は山口県岩国の小森組に肩入れし、山守組の槇原と兄弟分の浜崎組との代理戦争をけしかける。

“ワシが二代目になるいう事で 面倒みてもらえんですか”
“早川も早川よ わが親分がつまらんけんいうてよ 今度はあっちの親分にいうて ええとこづきするようなもんは わしゃ好かんで”


山守組幹部連と広能は、小森組と浜崎組との代理戦争にのらず、槇原はイモを引く。
組の統制に失敗した山守は今度は打本組幹部・早川英男(室田日出男)(※本編テロップでは英雄)の抱き込みを図る。節操のない早川は打本を裏切り、山守組につく。
さらに打本の下部組織が山守組事務所へ発炎筒を投げ入れた事により、山守組幹部連と広能は打本に盃を返し水とする。追い込まれた打本は指を詰め、神戸の明石組の元へ逃げる。

“もしこれが 神戸に聞こえたら どうなるかわかっとるんですか”
“あの(早川の)外道ゆうたら 明石組が打本抱いとるっちゅうの聞いてとたんに シッポをふって神戸へ打本迎えに行っとるんじゃ”


明石組は広能を通して、小森組と浜崎組の手打ち、そして打本への詫びを要求してくる。
広能は、山守、槙原、江田らが裏で独自に明石組に連絡をとり、身の安全を図ろうとしていた事を聞き、この要求を受ける。
これは明石組に対する実質的な山守組の敗北だった。

“二代目になりそこのうたのォ“
“おかげさんで 若頭にさせてもらいましたけ 今後もよろしゅう”


意気上がる打本は明石組長の舎弟となり、山守組の対抗組織となった。打本を裏切り、山守についた早川は再び打本になびき、若頭におさまる。

“広能に対抗できるゆうたら こんなしかおらんのじゃ のゥ 頼むわい ワシを助けてくれい”
“明石組と五寸で勝負できるゆうたら 神和会しかあらぁせんのですけん”


山守は入院中の武田に得意の泣きを入れる。
村岡組の若頭として復帰した武田は、明石組のライバルでもある神戸の神和会との盃を交わそうと目論む。
しかし山守はさらにその裏で早川を通して明石組にも近づくのだった。

“だいたい親父がだらしのうて 敵味方のスジがガタガタじゃけん こっちも安全保障つけとかにゃなるまいが”
“ひとを食わにゃ おのれが食われる そうと違うか”


明石組に近い広能は組内部ではみだした存在になり、命も狙われるようになる。
さらに武田から神和会との取持ちを依頼され、同時に明石組幹部・岩井信一(梅宮辰夫)からも神和会と山守組の盃をつぶし、打本との兄弟盃を戻すよう求められる。
岩井は広能に今こそ正念場だと助言し、広能は山守を追い込む決意を固める。

“そっちは初めから筋書き知っとってよ ワシらをここに引っ張り込んだんじゃろう”
“ワシらばっかりが火の粉を浴びることないじゃない 山守にもヤケドさせたれいや のう”


明石組は打本との盃を戻すよう山守組幹部連に強引に迫る。
武田はこれを突っぱねるが、明石組と広能は呉の長老・大久保憲一を仲介にたて、断れないよう仕掛けてくる。武田は渋々これを受け、打本との兄弟盃を戻す。
明石組は山守組派の早川を破門。そして広能の策略通り、山守は神和会から、事の成り行きの責任を問われ引退寸前に追い込まれる。

“こないせん事にはな ワシら広能を助けたられへんのや”

明石組派の広能は、武田から山守組を破門される。
そして、それを知った明石組も打本を使い山守組の武田を破門し、これに報復する。

“どっちつく言うて そりャあ どういうことですかのォ”
“はっきり立場しめすような みやげ持ってこいや のお”


武田は明石組を破門された早川を組にかかえる代わりに戦争を仕掛けるよう仕向ける。
遂に早川は明石組中国支部打本会に殴り込みをかける!

“おい とうとうやりやァがった 早川の外道が打本ん所に殴り込んだぞ”

明石組系列の打本組・広能組と、神和会系列の山守組との全面戦争(第二次広島抗争)は、いよいよ明石組とそのライバル神和会との代理戦争として、ここに火ぶたが切っておとされたのだ。

▲ページTOPへ
●国内盤LD
1992年4月25日 東映ビデオ<LSTD01015>
本編103分 CLV シネスコ 2面 モノラル音声

本編前に「代理戦争」、巻末にシリーズ他4作品のオリジナル劇場予告篇収録。
名場面・名セリフ集・チャプター解説付ジャケットサイズ解説書封入。
シリーズ中、もっとも迫力ある広能昌三(菅原文太)が見られる。
劇場用ポスターの絵柄を踏襲したジャケットもシリーズを代表するアートワークである。
▲ページTOPへ
●国内初盤DVD
2001年8月10日
東映ビデオ<DSTD02028>
------------------------
※再発廉価盤DVD(3150円)
2006年12月8日
東映ビデオ<DCTD02028>
本編102分24秒 シネスコスクイーズ(1:2.35) 日本語モノラル音声 チャプター

●映像特典

・オリジナル劇場予告篇(3分11秒)・特報 (1分30秒)
※いずれも左右を多少カットしたシネスコスクイーズ収録

・抗争関係図&主要人物紹介(静止画スチール)

はっきりとした起承転結がなく、多くのエピソードがパノラマ的に連なり、十数人の主要キャラクターが表と裏の駆け引きを繰り広げる「代理戦争」は、緻密な脚本による会話中心の心理劇・群像劇となる。
まるで舞台劇のようでもあり、「仁義なき戦い」を傑作シリーズたらしめたのは本作の成功による所が大きい。

その時の状況によって 敵や味方にコロコロ寝返るやくざの登場こそ、リアリティに溢れた「仁義なき戦い」の「仁義なき」たる所以でもある。
そんな自己保身の代表格のような早川が(役者は室田日出男から織本順吉に代わるが)、シリーズ最終作完結篇まで登場し、生き残るというのもまた「仁義なき戦い」らしい。

そして、山守組々長 山守義雄のシリーズ最大かつ最高の山守節が全編に炸裂するのも本作。
さらに山守と槇原の黄金悪役コンビが復活。 この二人には散々な目に合わされている広能だが、金子信雄と田中邦衛に悪役をふった事で陰湿な感じがしない。これはキャスティングの成功によるもので、イヤな奴だがどこか憎めないというこの稀有なキャラクターの存在が、単純な善悪だけでは語れない「仁義なき戦い」の大きな魅力ともなっている。

どんどんヒステリックになる打本を演じるのは加藤武。いわく自分の実像に最も近く、好きな役柄だったとの事。
前作「広島死闘篇」でも村岡組長役で出演していた名和宏は、本作ではスチールのみの再登場となる。

“中立は認めん こっちの側で立てんゆうじゃったら この際 足洗って カタギになるこっちゃ 以後ここには出入りせんといてくれ”
若頭・武田のこの言葉に応え、一礼後、無言で身を引き、以後二度と登場する事のない成田三樹夫演じる松永弘は、シリーズ中でも特に人気のあったキャラクターであった。

組のシノギに手をつけた責任をとって、指を詰める代わりに手首まで切り落とす無分別さと、若衆の倉元を煽り、立場が悪くなるとそのまま見捨て、女を寝盗られた腹いせから敵にチクルという、どうしようもなく浅はかなやくざは西条勝治。
このチンピラながら強烈な印象を残すキャラクターを演じた川谷拓三は、自分の名前が初めてのったポスターを死ぬまで大事に持っていたという。

犠牲になるのは常に若者という「仁義なき戦い」の根底に流れるテーマを担うのが広能組若衆・倉元猛(渡瀬恒彦)のエピソード。
広能と同じ恩師を持つ縁で、広能組に預けられる暴れ者。組の力になろうとするあまり、無残な最期を遂げる。
「仁義なき戦い」シリーズが他のやくざ映画と一線を画すのがこのサブストーリーでもある。

本作は、タランティーノやジョン・ウーなど国内外の映像作家やマンガ家などにも多大な影響を与えている。
特にきうちかずひろの「ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎音頭」(※映画版ではなく原作コミック版) のストーリー展開は、本作を引用したものである。
▲ページTOPへ
オールスター映画らしく、梅宮辰夫が第一作で死んだ若杉寛役に続いて明石組の岩井信一役で再登場。眉毛を剃った強面の斬り込み隊長という役柄だが、広能とは兄弟分となりイメージも若杉寛に近い。
混乱するという声もあるが、一度死んだ人物を演じた役者が別の人物として再登場するというのも「仁義なき戦い」の大きな見所。
梅宮辰夫いわく“役者が足りないから”という単純な理由からのものだが、次作「頂上作戦」から再び登場する松方弘樹など、作品ごとにキャラクターを演じ分ける役者の力量が見られ、非常に面白い。
【参考】※主要人物のみ
梅宮 辰夫 土居組若頭・若杉寛(第1作)明石組幹部・岩井信一(第3作)
松方 弘樹 山守組幹部・坂井鉄也(第1作)義西会若衆・藤田正一(第4作)市岡組々長・市岡輝吉(第5作)
北大路欣也 村岡組々員・山中正治(第1作)⇒天政会3代目・松村保(第5作)
渡瀬 恒彦 新開組幹部・有田俊雄(第1作)広能組若衆・倉元猛(第3作)
伊吹 吾郎 上田組初代組長・上田透(第1作)広能組若頭・氏家厚司(第5作)
名和 宏 土居組々長・土居清(第1作)村岡組々長・村岡常夫(第3作)
八名 信夫 大友組々員・浅野卓也(第2作)広能組幹部・河西清(第4作)早川組々員・加賀亮助(第5作)
遠藤 辰雄 大友組後見人・時森勘市(第2作)明石組長舎弟・相原重雄(第3作)
小池 朝雄 ナレーター(第1作)村岡組長舎弟・高梨国松(第2作)義西会々長・岡島友次(第4作)
三上真一郎 山守組幹部(新開組々長)・新開宇一(第1作)川田組々長・川田英光(第4作)
室田日出男 大友組幹部・中原敬助(第2作)打本組幹部・早川英男(第3作)
川谷 拓三 土井組々員・江波亮一(第1作)村岡組々員・岩下光男(第2作)広能組若衆・西条勝治(第3作)学生、警官※エキストラ(第4作)槇原組々員・守谷等(第5作)
志賀 勝 有田組々員・横川信夫(第1作)大友組々員・寺田啓一(第2作)山守組々員・吉井信介(第4作)
曽根 晴美 山守組幹部・矢野修司(第1作)上田組二代目・上田利男(第3作)渡世人・藤村勇吉(第5作)
福本 清三 有田組々員・下中隆次(第1作)大友組々員(第2作)早川組々員(第3作)武田組々員・山崎恒彦(第4作)
鈴木 康弘 村岡組舎弟・杉原文雄(第3作)天政会参与・杉田佐吉(第5作)
大前 均 土井組々員・野方守(第1作)プロレスラー・若松三郎(第3作)
▲ページTOPへ
●国内盤Blu-ray
2013年3月21日
BOX封入盤・単品盤
同時発売
東映ビデオ<BSTD02028>
−映像:本編102分30秒 シネスコ(1:2.35) 1080p Hi-Def AVC
−音声:ドルビーTrueHD(日本語モノラル)
チャプター、メインメニュー・ポップアップメニュー機能付


●映像特典

・特報(フルシネスコ・HD画質 1分38秒)【HD画質初収録】
※貴重な未使用(NG)カット、メイキング風景収録の特報
・オリジナル劇場予告篇(フルシネスコ・HD画質 3分30秒)
【HD画質初収録】

前2作同様新HDマスターを使用。国内盤DVDの赤っぽい映像、画面によって左右に黒帯が出たり出なかったりのオープニングクレジットの不備も解消。
▲ページTOPへ
●縮小復刻ロビーカード<代理戦争>
▲ページTOPへ
■仁義なき戦い 頂上作戦 シリーズ第四作(1974年1月15日公開)
 
1963年(昭和38年)8月〜1964年(昭和39年)1月

こんなをマトにかけちゃるけん!

前作「代理戦争」の続編となるシリーズ第4作「頂上作戦」。
明石組系列の打本組・広能組と、神和会系列の山守組との全面戦争(第二次広島抗争)の終焉までが描かれる。

高度経済成長政策の元、繁栄を歩む日本の秩序を乱し一般市民を巻き込む暴力事件の拡大は、市民の暴力追放運動、マスコミの事件報道強化に繋がり、強い非難を受け始める。

広能

“わしやのう、山守には十八年の恨みがあるんじゃけん。わしがジキリかけて刺し違えちゃらにゃア済まんのじゃ!
はよいかんかい、何しとるんなら!”


岩井と広能が山守組に仕掛けようとした全面戦争は、武田に拉致された打本の裏切りにより悟られ、さらに山守のチンコロにより広能は検挙される。
山守への復讐にやっきになるも、結局何も出来ないまま広能はあっけなく警察の手に落ちる。

そして、広能側についた義西会会長・岡島友次(小池朝雄)も、同窓会で訪れた可部温泉で山守組組員の吉井信介(志賀勝)に射殺される。
同窓会のさなか恩師の眼の前で、血まみれになって無残な死に際をさらす岡島。

吉井
“あんたら、見とった通りじゃ…”

恐怖に震えるかつての先生や旧友たちに言い放つ、露骨な吉井の一言。

山守
“あれ程、電話かけて保護してくれいうちょるのに、そっちゃちいともパトカー寄越してくれんじゃないの。
…善良な市民を保護するなァ、警官の務めじゃアないんか。わしが死んだらよ、責任を取れよ。おう、責任を、なア。”

打本
“今わしとこの若いモンがの、山守殺るいうて、出て行った所じゃ。…はよう、そっちから報せてかわさせんと間に合わんど。
ほいで山守が助かったらよ、わしに二千万くらい融通せいいうて頼んで見てくれいや。”


相変わらず自分の事しか考えない山守、小物で銭もうけ優先の打本。

広能の逮捕後、均衡が崩れた抗争は血気にはやる若い組員同士の市街戦の様相を呈し、市民を巻き込む流血事件が勃発。
そして、警察は遂に組長級の一斉検挙「頂上作戦」を開始!
山守、打本ら組長幹部クラスも逮捕されるに至るのだった。

武田
“広島極道は芋かも知れんが、旅の風下に立ったことはいっぺんもないんで。神戸のもんいうたら猫一匹通さんけん。おんどれら、よう覚えとけや。”
岩井
“ようし。おんどれらも吐いた唾は呑まんとけよ。ええな、わかったら、はよいね。”

山守が逮捕された事を知った岩井は広島にのりこみ、岡島なきあとの義西会 岡島の舎弟で広能の刑務所仲間、藤田正一(松方弘樹※1)を中心に陣営の再編に取り組む。
一方、武田はかつての宿敵だった大友連合会(※2)ら広島やくざの団結を求め、これに真っ向から受けて立った。
こうして、広島抗争事件は広島対神戸の戦いへと発展していく。

しかし…
義西会の藤田正一(松方弘樹)は仲間だと思っていた川田(三上真一郎)に裏切られ、藤田自らが目をかけていた川田組の若い組員野崎弘(小倉一郎)にあえなく射殺される。同士討ちに困惑した岩井は、広島から手を引く事を獄中の広能に告げる。

岩井
“神戸の本家は、兵庫県警の仲立ちで神和会と手打ちしよってなア。わしにも引きあげて来いいうてきとんねや。昌ちゃん、済まんが手え引かしてくれ、この通りや。”
広能
“済まんのはこっちよ。信ちゃんの気持ちはよう分かるけえ、これまでようやってくれたのう。”

ここに第二次広島抗争は終焉を迎える。
▲ページTOPへ
検挙された広能は七年四ヶ月、武田とともに網走刑務所送りとなる。
(武田の刑期は不明だが次作「完結編」では広能よりも前に出所している。)

江田(山城新伍)は五年、槙原(田中邦衛)は三年。
打本は執行猶予。
そして、山守は一年半の刑期だった。
武田「わしも全財産はたいてしもて、一文無しじゃ。その上新聞にァ叩かれるし、これからは政治結社にでも変わらんと、やっていけんわい。」
広能「もうわしらの時代は終いで。十八年も経って口が肥えてきちょって、こう寒さがこたえる様になってはのう。七年の刑じゃけえ、とにかく持ちこたえん事にやのう。」

裁判所の廊下で、寒さに震えながら語り合う広能と武田。
どこか安堵の笑みを浮かべる武田。

そして、戦後のヤミ市から共に暴力でのし上がった多くの友はもはやいない。
何のために何をしてきたのかと自問自答する広能。

「昌三、わしらどこで道間違えたんかのう。夜中に酒飲んどると、つくづく極道がいやになっての、足洗うちゃるか思うんじゃが。朝起きて若いもんに囲まれとると、夜中のことはころっと忘れてしまうんじゃ。」
シリーズ第一作にて坂井(松方弘樹)が広能に語ったボヤキとも重なり、やくざとしてしか生きていけない男たちの虚しさが、より強く打ちだされたラストシーンとなる。

当初は本作にてシリーズ完結の予定であったという。
まさにシリーズの最後を飾るにふさわしい幕切れだった…


(※1)結核で病弱なやくざ藤田正一はシリーズ再登板の松方弘樹が演じる。親分に忠実で影のような存在だが徐々に重要な位置を担うようになるという第一作の坂井とは違ったキャラクターを巧く演じ分けている。藤田は本作で射殺され、松方弘樹は次作「完結篇」ではまた別のやくざ市岡組々長 市岡輝吉として三度登場する。
(※2)大友連合会率いる大友勝利はシリーズ第2作「広島死闘篇」に登場した凶悪やくざ。当初は千葉真一が大友役として再登場する予定だったが、主演作「ボディガード牙」の撮影と重なり見送られた。
また、大友勝利は次作「完結篇」にて再登場する事となるが、やはり千葉真一は同時期に製作されていた「殺人拳」シリーズ等の主演で忙しく「完結篇」では宍戸錠に代わる。
▲ページTOPへ
●国内盤LD
1992年7月25日 東映ビデオ<LSTD01024>
本編101分 CLV シネスコ 2面 モノラル音声

本編前に「頂上作戦」、巻末にシリーズ他4作品のオリジナル劇場予告篇収録。
名場面・名セリフ集・チャプター解説付ジャケットサイズ解説書封入。
▲ページTOPへ
●国内初盤DVD
2001年8月10日
東映ビデオ<DSTD02029>
------------------------
※再発廉価盤DVD(3150円)
2006年12月8日
東映ビデオ<DCTD02029>
本編100分59秒 シネスコスクイーズ(1:2.35) 日本語モノラル音声 チャプター

●映像特典

・オリジナル劇場予告篇(3分36秒)左右を多少カットしたシネスコスクイーズ収録※特報未収録
・抗争関係図&主要人物紹介(静止画スチール)
▲ページTOPへ
●国内盤Blu-ray
2013年3月21日
BOX封入盤・単品盤
同時発売
東映ビデオ<BSTD02029>
−映像:本編101分05秒 シネスコ(1:2.35) 1080p Hi-Def AVC
−音声:ドルビーTrueHD(日本語モノラル)
チャプター、メインメニュー・ポップアップメニュー機能付


●映像特典

・特報(フルシネスコ・HD画質 1分39秒)【初収録】
※貴重なメイキング風景、別アングルカット等収録の特報
・オリジナル劇場予告篇(フルシネスコ・HD画質 3分36秒)
【HD画質初収録】

前2作同様新HDマスターを使用。国内盤DVDの赤っぽい映像、画面によって左右に黒帯が出たり出なかったりのオープニングクレジットの不備も解消。
▲ページTOPへ
●縮小復刻ロビーカード<頂上作戦>
 
←「仁義なき戦い」 「広島死闘篇」へ
↓↓↓↓
いよいよシリーズ最終話「完結篇」へ
COMING SOON!

●本サイトに掲載されているジャケット画像および静止画像にはそれぞれの然るべき製作者・著作者にその権利があります。本サイトは、それらの製作者・著作者からなんらかの指摘および注意を受けた場合には、すみやかに画像・内容を消去するなどの対応をいたします。
●LD/DVDのチョイスや解説は独断と偏見です。記載事実に誤り等がございましたらメールでご意見お願い致します。
※本サイトに掲載されている文章の引用・転載は自由です。ただし、著作権は放棄していませんので、引用・転載前にご連絡ください。
※本サイトに掲載されている文章は、独断と偏見によるまったくの個人的意見が中心となっております。また、本サイト上のデータは、個人的資料によるもので、その正確性・正当性に欠ける場合もございますがご容赦ください。
HOME | ギャラリーコラムへ