チャールズ・ブロンソン特集 狼の挽歌
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1970年イタリア映画、日本公開1970年12月(日本ヘラルド配給)。

セルジオ・ソリーマ監督作品、チャールズ・ブロンソン主演、共演は愛妻ジル・アイアランド、「刑事コジャック」のテリー・サバラス、音楽エンニオ・モリコーネ。

チャールズ・ブロンソンといえば、“ん〜っ、マ〜ンダム”で有名な、1970年に放送された男性用化粧品「マンダム」のCMを思い起こす。演出は大林宣彦。テレビCMに外国スターを起用する先駆けともなった作品で、ジェリー・ウォレスの唄うCMソング「男の世界(Lovers of the World)」も大ヒットした。
「あっ、アゴになんかついてるよ…」と言い、思わずアゴをさすった相手に「ん〜っ、マ〜ンダム」と言う懐かしのギャグとともに、昭和の世を賑わせた。
ブロンソンをバカボンのパパに似ているという奴は、必殺マグナムの餌食だ!(…確かに似ているのだが、)

ハンサムでなくてもスターになれる事を身を持って証明したオヤジ世代の憧れ。
そんなブロンソン人気絶頂時の1970年12月に国内公開された本作は大ヒット。「狼よさらば」(1974年)と並んで、ブロンソン単独主演における代表作となった。

極端なクローズアップの多用など、マカロニ・ウエスタンを偲ばせるイタリア映画らしい作風で、組織の罠に落とされた孤独な殺し屋の復讐と、裏切られても、裏切られても愛する女への激情から逃れられずに、殺しを繰り返す殺し屋の哀れな末路が、男臭くかつ哀愁を秘めたブロンソンによって描かれる。
粗っぽい編集ではあるが、説明的な台詞を一切カットして殺し屋ブロンソンの動きを執拗に追い続け、ラストのエレベーターでの無音の狙撃シーンまで引っ張るセルジオ・ソリーマ監督、なかなかの「いい仕事」である。(2002.8.25)

 
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LD GALLERY
●国内盤LD
1995年11月24日
アミューズビデオ<AML-0012>
※本編96分版(英語音声)
シネスコサイズ(2.35:1)
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DVD GALLERY
●国内初盤DVD 
2002年1月31日
スパイク<ACED-001>
※本編96分版 ノンスクイーズ・シネスコ(2.35:1)収録。
英語2chステレオ表記だが実際にはモノ音声のみ。
※オリジナル予告篇収録
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●THE BRONSON DVD-BOX VOL.2
2004年2月14日
デックス エンタテインメント<DFMC-0002>
「チャトズ・ランド」、上記「狼の挽歌・通常版」にプラスして、プレミアム・ディスク「狼の挽歌・吹替特別版」(下記詳細参照)が封入。
●THE BRONSON DVD-BOX VOL.2
封入盤DVD
「狼の挽歌・通常版」
上記スパイク版DVDのジャケットとピクチャーディスクのデザインを変えて再発売したもので、スパイクのカンパニークレジット含めて収録内容はまったく同じ。
2004年1月23日ジェネオンエンタテインメントよりリリースされた単品盤と同一商品。
●THE BRONSON DVD-BOX VOL.2 プレミアム・ディスク
「狼の挽歌・吹替特別版」
※本編93分版
2004年2月14日
デックス エンタテインメント<DFMC-0002>
THE BRONSON DVD-BOX VOL.2封入のプレミアム・ディスク「狼の挽歌・吹替特別版」には、1985年6月23日TBS系「月曜ロードショー」にて放送された際の吹替音源が初収録された。

ブロンソンの声優といえば、大塚周夫と森山周一郎。

当時「月曜ロードショー」の放送枠でブロンソン声優として固定化されつつあったのは森山周一郎だった。しかし、同氏は同じくTBS系の人気番組「刑事コジャック」でテリー・サバラスの声を充てていた事もあり、そのイメージを優先して、本作放送時にはブロンソンではなく、サバラスの声を担当。
そして、森山周一郎以前に、ほとんどのブロンソンの声を充てていたもう一人のブロンソン声優、大塚周夫が再登板する事となり、 ここに新旧ブロンソン二大声優の夢の共演が実現したのだ。
チャールズ・ブロンソン(ジェフ)=大塚周夫、テリー・サバラス(ウェーバー)=森山周一郎、ジル・アイアランド(バネッサ)=弥永和子、ウンベルト・オルシーニ(スティーヴ)=堀勝之祐、ミシェル・コンスタンタン(キレイン)=加藤精三。

さらに、吹替音源の編集中に発覚した、110分イタリア語版をカットして放送されたと思われるテレビ放送版マスターに存在し、本DVDに収録されている96分英語版には存在しないシーン2カ所が、特典映像として初収録(約2分と約1分)。
テレビサイズ版なので、おそらくVHSテープからの再録と思われるが、なるほど、国内盤LDやDVDでは唐突だった毒蜘蛛が出現するシーンなど、より理解できるようになった。

また、英語版マスターではラストのエレベーターの狙撃シーンは無音だったが、テレビ版日本語マスターにはテーマ曲がかぶさり、音による演出が加わっている。これはこれでスリリングな所がまた編集の妙で面白い。
ちなみに本ディスクはボックスセットのみの特典ディスクで単品盤の発売はないが、ジャケット裏には何故か2000円のプライス表記がある…。

本作には、公開された国によりいくつかのバージョンが存在するようだが、国内劇場公開版には冒頭のヨット上でブロンソンがジル・アイアランドの水着を脱がすようなシーンがあったと記憶しているのだが…。
全長版の国内盤DVDリリースというよりは、むしろWOWOWあたりのHV放送を期待するが…。(2008.02.24)
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●VIOLENT CITY 狼の挽歌
米国盤DVD
※本編109分08秒 オリジナル完全版
2008年3月25日
Blue Underground<BU1132DVD>

コードフリー、スクイーズ収録、チャプター付、英語・イタリア語・フランス語収録。
劇場予告篇、゛SHOOTING VIOLENT CITY゛(セルジオ・ソリーマ監督インタビュー/15分)、ポスター&スチールギャラリー(スライドショー)、TALENT BIOS(チャールズ・ブロンソン、テリー・サバラス、ジル・アイアランド、監督セルジオ・ソリーマ、音楽エンニオ・モリコーネの写真と文字によるバイオグラフィー)

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●ブロンソン没後5周年メモリアル
狼の挽歌 デラックス版 国内盤DVD
※本編109分08秒 オリジナル完全版(国内劇場公開版)
2008年12月26日
ジェネオン エンタテインメント<GNBF-7508>

これです、これ。映画館で見たのは…。冒頭のヨット上、当時としてはかなりセクシーなシーン、いきなりですから。
ただ、ブロンソンが脱がしていたのは、ジル・アイアランドのヒモパン水着だと、永らく記憶していましたが、実際には、腰に巻いたアクセサリーの紐でした…。

上記、Blue Underground社と同一のマスターを使用したオリジナル109分08秒全長版、国内初リリース、初スクイーズ収録盤。
(ジャケットのブロンソンの写真、修整しまくり。)
英語・イタリア語・日本語吹替、日本語字幕・吹替用字幕収録。Blue Underground社と同じオリジナル劇場予告編(4分) 、スチールギャラリー(2分)も収録。

日本語吹替は、上記「THE BRONSON DVD-BOX VOL.2」に封入されたプレミアム・ディスク 「狼の挽歌・吹替特別版」に収録された1985年6月23日TBS系「月曜ロードショー」にて放送された大塚周夫のテレビ吹替音源を使用。
チャールズ・ブロンソン(ジェフ)=大塚周夫、テリー・サバラス(ウェーバー)=森山周一郎、ジル・アイアランド(バネッサ)=弥永和子、ウンベルト・オルシーニ(スティーヴ)=堀勝之祐、ミシェル・コンスタンタン(キレイン)=加藤精三。

毒蜘蛛が出現するシーン、レース場での狙撃シーン等がロングバージョン。また、ラストのエレベーターの狙撃シーンでは、イタリア語・英語音声ともに無音だが、日本語吹替音声にのみテーマ曲がかぶさるという、音による演出が加わっている。
これは1985年の日本語版マスター制作の際に、日本で手を加えたという事か…?

さらに…!
ブロンソンといえば「ん〜っ、マ〜ンダム」というぐらい、マンダムのCMが有名だが、そのCM集が、奇跡の収録!
1.トランプ篇(30秒)  2.薪割り篇(30秒) 3.猟銃篇(15秒) 4.息子と共演篇(30秒) 5.ペントハウス篇(1分45秒) 6.オフィス篇(1分30秒) の全6作。
これはもうオヤジにはたまらん。これだけでも買う価値ありだ。

オールカラー4ページ解説書が封入されているが、“大林宣彦監督が語るチャールズ・ブロンソン”。「ブロンソンの秘密」として、ブロンソンがシークレットブーツを履いていた事を思いっきりバラしている。背が小さい事で有名だった「シェーン」のアラン・ラッドとほぼ同じような背丈で、ブロンソン得意の両足ジャンプは、ハイヒールブーツのせいで、片足だとよろけてしまうからなのだそうだ。
ブロンソンの身長については、ファンならば誰でも噂には聞いていた事なのだが、こんな事までバラしてしまっていいのか…?(2008.12.31)

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チャトズ・ランド
●THE BRONSON DVD-BOX VOL.2
「チャトズ・ランド」
1971年、イギリス・スペイン映画。
100分 日本公開1972年6月 アスペクト(1.85:1) ビスタスクイーズ収録
・月曜ロードショーで放送されたテレビ放映吹替音源(約92分)収録
※テープが古いためか、音が延びるようになる箇所があるが、貴重な吹替音源初収録。
・テレビ放映用差し替えシーン収録
※チャトをおびき出すために、レイプした妻をチャトの家の前にヒモでくくりつけるシーン。本編のハードコア版では全裸のままだが、特典映像として収録されているテレビ放映用の別撮りシーンでは全裸ではなく毛布でくるまれている。4対3映像なので、おそらくVHSテープからの再録と思われる。
・日本初公開のオリジナル劇場予告編収録
・サウンドトラック個所だけを抽出して再生するBGMチャプター付

理由なき差別を受けたアパッチの混血インディアン、チャトは、正当防衛からやむなく町の保安官を殺してしまう。保安官を殺された町の白人たちは、元南軍将校のクインシー(ジャック・パランス)を筆頭に追撃隊を結成し、逃げたチャトを追うのだった…。

監督マイケル・ウィナーと主演チャールズ・ブロンソンコンビによる異色西部劇。
当時51歳のブロンソンが元祖マッチョマン的肉体を惜しげもなく披露しているが、社会派アクション映画の傑作「狼よさらば」と同じ"復讐"をテーマとしている所が非常に興味深い。
南北戦争の負けをひきずり、チャト討伐にその代理的な"復讐"をみいだそうとするクインシー。 追撃の途中、チャトに弟を殺され"復讐"に狂うジュバル(サイモン・オークランド)。そして、妻をレイプされ身内を殺されてしまうチャトの追撃隊への"復讐"。
復讐は復讐を呼ぶだけというメッセージなのか、本作には"THE END"マークは表示されず、虚しい銃声で終わる…。

目には目を、歯には歯をの“復讐”の是非。正義とは何かという問題提起は、本作より2年後の「狼よさらば」で、さらに大きく投げかけられるのだ。
単なる復讐劇を描いたアクション映画とは一線を画すハードボイルド西部劇だが、追撃隊とチャトのゲリラ戦は、当時のベトナム戦争を批判しているともいわれた。
また、「ランボー」シリーズや「クロコダイル・ダンディー2」などにも、少なからず影響を与えている。(2008.02.24)
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→ブロンソン「狼よさらば」詳細はこち

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