第39回(2013.03.03更新)

「悪魔のいけにえ」衝撃の真実!
レザーフェイスの父親はじい様だった。
トビー・フーパー監督 狂人一家の家族について語る

  これまでジム・シードウ演じるコックがレザーフェイスとヒッチハイカーの父親で、レザーフェイスがヒッチハイカーの兄貴という事になっていたが、これは大きな間違いだった。

「悪魔のいけにえ」ドキュメンタリーの決定版ともいえる「ショッキング・トゥルース」DVDに収録されている映像特典内のインタビューで、フーパー監督が語った狂人一家の家族構成によると、コックは長兄で、ヒッチハイカーは弟。(話の流れからするとレザーフェイスは末っ子。)
そして、テキサスでは年配の男性をグランパと呼ぶ風習があり、あのサリーの指先から流れる血をおいしそうにチューチュー吸うじい様がレザーフェイスの父親になるとの事。
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という事は。。。

一応、続編「悪魔のいけにえ2」では137歳として登場するじい様。
兄弟は年齢不詳だが、レザーフェイスが30歳代としても100歳代でつくった子供という事になるのだ。
そして、母親は2階のミイラ化していたばあ様か!

国内初盤LD(SF078-0114)、国内再発盤LD(AMCL-0001)、国内初盤DVD(CPVD-1092)など過去の国内盤ディスクの本編にはコックが親父 、レザーフェイスがヒッチハイカーの兄貴(兄い)との字幕表示があり、さらにデックスエンタティンメント版DVD特典映像のTV放映版日本語吹替バージョンでも同じようにコックが親父 、レザーフェイスが兄貴と呼ばれている。

しかし、原語ではコックがヒッチハイカーに
"Look what your brother did to the door!"

ヒッチハイカーはレザーフェイスに
"Hey, Leatherface. Give me a hand with Grandpa."
さらにコックには
"Me and Leatherface do all the work. He don't like it. Ain't that right? Your just the cook!"

と叫んでいる。

それぞれブラザー(brother)、レザーフェイス(Leatherface)、コック(cook)と呼んでいるように、その血縁関係を特定できる台詞ではないため、字幕翻訳者が意訳したのだろう。

※これは「燃えよドラゴン」でリーの父親といわれている「Old Man」にもいえる事だ。<詳細はこちら→

後づけの家族構成ではないかとも思えたが、親子関係は演出上必須な要件のため、フーパー監督がこの設定を頭に入れて撮影していたと考えるのが妥当。謎めいた一家としての不気味さを強調するため、あえて曖昧な設定にしたと考えられる。

ただ、これが間違いと言えるかどうかは微妙な所で、実際、映像を観る限りコックがヒッチハイカーとレザーフェイスの父親の方が、個人的にもすんなりと受け入れられるのだが。。。

さらにフーパー監督は語る。
コックは分裂症気味で態度がコロコロ変わる。
働き者で役に立たない家族を養うために頑張っている。もちろんコック(料理人)の役目もこなし、兄でありながら家族の中では父親の役を引き受けている。
弟のヒッチハイカーは兄のコックの言う事を聞かず墓地に行ったり、厄介なことを起こす。
レザーフェイスはカッとなって正気を失って人を殺す。


目からうろこだ。

本メイキング発売以降にリリースされたデックスエンタティンメント版国内盤DVD<DXDB-0021><DXDS-0070><DXDB-0027>、ジェネオンエンタテインメント版国内盤ブルーレイ<GNXF-1016>の日本語字幕では、レザーフェイスはヒッチハイカーの弟、及び親父はコック、兄貴(兄い)はレザーフェイスといった字幕表示に変更されている。

「悪魔のいけにえ2」でも同じくジム・シードウ演じるコックが登場するが、こちらも父親なのか長男なのかはっきりとはしない。
ただ、車椅子に乗った137歳のグランパも登場し、日本語字幕では“おじいちゃん”となっており、日本語字幕を観る限りレザーフェイス、トラックに轢き殺されたヒッチハイカーとその双子の兄チョップトップのおじいちゃんという意味にもとれ、コックが父親との印象も受ける。
英語字幕では “Grandpa”(グランパ)で、本メイキングのフーパー監督の言う、年配の男性をグランパと呼ぶテキサスの風習という事であれば父親になる。
なお、3人兄弟ではなくチョップトップを入れた4人兄弟だったというのは、どう考えても後づけの設定だろう。

また、マイケル・ベイ製作による2003年のリメイク版シリーズ「テキサス・チェーンソー」「テキサス・チェーンソー ビギニング」ではコックに該当する人物は、R・リー・アーメイによって演じられた異常者保安官のホイトとなる。(テキサス・チェーンソー ビギニング」で、実はホイトはニセ保安官だった事がわかる)。

このレザーフェイスよりも印象に残るホイト保安官、本名チャーリー・ヒューイットは食肉処理工場のゴミ箱に捨てられていた赤ん坊、後のレザーフェイスの育ての親となるが、世間的には甥として育てていたようだ。(母親は食肉処理工場で働く太ったアル中女)。

 
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